ダイビングで抑えておくべき基本知識

Good Diving Life ダイビング

ダイビングは楽しい趣味だが事故もある

ダイビングは楽しい。水中生物がほんの目と鼻の先を泳ぎ回る景色、水中から見上げる太陽の煌めき、無重力空間にいるかのような浮遊感、空に浮いて地上を見ているような地形、その全てがダイビング以外では知ることのできない景色である。が、事故で死ぬことも残念ながら珍しくない。事故の多くはパニックにより誘発される。パニックにならないよう、確固たる知識を基にした自信が必要だ。

久方ぶりにダイビングに行かれる方、これからダイビングライセンス取得に向かわれる方もいるだろう。少しでも不安を取り除き、安心して水中世界を楽しめるよう、基本的な知識を確認しよう。

ダイビングで最も重要なルール

ダイビングで最も重要なルールは、常に呼吸を続け、どんな時も絶対に息を止めない事である。浮上中に呼吸を止めると、肺の空気が膨張し肺が破裂することが理由だ。レギュレーターをくわえていない時でも、息を止めないようゆっくりブクブク息を吐き続ける。尚、浮上する際は浮上する際は耳、サイナス、マスクの圧平衡は必要ない。

潜降中に気を付けること

潜降すると10mごとに1bar/ata気圧が増える。気圧が増えると空気の体積は1/2になり、密度は×2になる。つまり、深くなるほど気圧は増えて体積は減り密度は増えていく。風船をプールの下にもっていくと風船は小さくなり、風船内の空気の密度は高くなるイメージである。

これは身体の空気部分に影響を与える。つまり、耳、サイナス(鼻の中)、マスクである。この3か所が水圧の影響を受けて痛みを感じる。スクイズは圧力のバランスが取れなくなり組織が空間の内側に押され、気圧性の外傷が生じること。そこで空間を圧迫する圧力を調整する。潜降しながら空気を空間に送り込み(空間に空気を追加し)、圧力を空間内と外で等しくすることで、スクイズを防止することを圧平衡という。

耳とサイナスを圧平衡するには、鼻をつまんで、そっと鼻へ息を送り込む。これにより肺からの空気を耳とサイナスへ送り込まれる。アゴを左右に動かし、ツバを飲み込むという方法も可。マスクを圧平衡するには、潜降しながらマスクの中に鼻から息を送り込む。不快感を生じる前に、1m/数ftごとに圧平衡する。圧平衡は優しくこまめに短く行う。不快感が生じた場合は少し浮上してもう一度行い、それでも圧平衡できない場合は潜降をストップしバディやインストラクターに伝える。風邪やアレルギーは充血を引き起こし、正常な空気の流れを塞ぐ可能性があり、圧平衡が困難になる場合がある。肺はスクーバ機材で周囲と同じ圧力で空気を供給するので、肺の圧平衡は普通に呼吸を続けること以外する必要はない。ゆっくりと深く呼吸するのが最も効率的。

浮力コントロールはダイビングで最も重要なスキル

浮力は水中にある物体を上に押し上げる力。物体に押しのけられる水によってもたらされる。ⅰプラス浮力。ⅱマイナス浮力。ⅲ中性浮力。海水にはミネラル(塩分など)が溶け込んでいるため、同じ量の水でも真水より重くなる。海水は淡水より密度が高く重いため、淡水より浮力が大きくなる。淡水で中性浮力なら海水で浮く。浮力のコントロールする器材はウエイトシステムとBCD(浮力調節具)の2つ。BCDに空気を入れて浮力を上げる。潜降すると空気の層の体積は減少し、押しのけられる水の量も減る。ゆえに浮力も減る(マイナス浮力になる)。減った分の浮力はBCDに空気を入れて相殺する。浮上すると逆。空気の層の体積が元通りに膨張して浮力が増える。息を吸うと肺が膨らみ、体積や押しのけられる水の量、浮力が増える。

スキューバキットの構成

スクーバキットは生命維持の中核。ⅰBCD(浮力調整具)。スクーバキットを一つにまとめ浮力を調整する。ⅱレギュレーター。ダイバーが息を吸うと周囲の水圧と同じ圧力で空気を供給し、吐いた空気を水中に出す。ⅲシリンダー。レギュレーターが供給する高圧の空気を入れる容器。ⅳウエイト・システム。鉛のウエイトを入れてダイバーの身体と器材のプラス浮力を相殺する。エアパックみたいなのがBCD、つまみがある脇あたりの器材がシリンダー、計測器が多いものがレギュレーター。

BCDの構成

ⅰBCDのコンポーネントは5つ。ⅰ空気を入れて膨らませる袋。空気を出し入れして浮力をコントロールする。ⅱシリンダー・バンドとハーネス/ジャケット。この空気袋はシリンダーを背中につけるための調整可能なハーネットとセット。ⅲパワー・インフレーター・メカニズム。大口径のホースの先端にあり、吸気のボタンを押してシリンダーから送られてくる空気を使って袋を膨らませる。廃棄ボタンで袋から空気を抜いたり口で膨らませられる。ⅳ加圧防止弁/クイック・エキゾースト・バルブ。空気の入れすぎによる袋の破裂を防ぐため、BCDには入れすぎた空気を自動的に排出する弁がある。ⅴウエイト・システム。ウエイトを調整する。パワー・インフレーターの近くにホイッスルを取り付ける。BCDのメンテナンスはⅰ外側だけでなく袋の中も真水ですすぐ。

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