僕がダイビングライセンスを取った時の体験談

Good Diving Life ダイビング

僕はこの記事を書く数年前にダイビングライセンス(OWD)を取得し、その後AODも取得しました。一般にレクリエーション目的のダイビングで潜る限界深度40m/130ftまで潜ることができます。今回は、OWDのライセンスを取得したときの体験談を綴ろうと思います。

ダイビング前

時間を忘れて何かに熱中して取り組めば自然と人生は充実するものだ、と僕は考えています。そんな中で、何か知識や経験を積み重ねることで実現できる趣味が欲しいな、と思ってライセンスが必要なダイビングに興味を持ちました。善は急げでまずネットで調べてみると、ライセンス取得プランを持つ色々なダイビングショップが見つかりました。ただ、あまりに安価なプランだと利益を稼ぐために、一人のインストラクターが見切れない人数を受け持ったり、安全配慮が犠牲になる可能性があると(毎年のようにそうした死亡事故が起きていることを)知りました。どうせなら、透明度の高い綺麗な海の方が楽しいし安全なんだろうな、と思ったので、僕は石垣島でライセンスを取得することを決めて、地場(全国展開していない)のダイビングショップに申し込みました。その後、ダイビングショップから送られてきたPADI教材をしっかりと勉強をして、石垣島へ飛び立ちました。

ダイビング初日に死ぬかと思った

インストラクター1人に対して、僕を含めて講習生は3人でした。初日は、知識の確認テストを行って採点した後、浅瀬に潜ります。インストラクターの運転する車に乗り、浅瀬からエントリーできるポイントに向かいました。インストラクターさんは、体育の先生と軍人を足して÷2したような、見事なシックスパックを持つ男性でした。同じ男として、何か敗北感を感じたのを覚えています。

ダイビングでは船に乗ってダイビングスポットまで行って、ジャイアントストライドなりバックロールエントリーなりで潜るのが一般的ですが、初日は知識の確認に重点が置かれるので、プールや浅瀬で潜ります。僕の時は、浅瀬から歩いて潜りました。ダイコンはインストラクターしか持っていませんでしたが、大体3-7m、最大深度でも7m前くらいだったと思います。

そんなダイビング初日ですが、僕は正直かなり辛かった記憶しか残ってないです。(僕はその後もそれなりの数、日本の海を潜りましたが、辛い思い出しか残らなかったのはこのOWD初日だけで、残りのダイビングはとても楽しんでいます。安心してください、ダイビングは楽しいですよ!)。僕が辛かった原因は3つありました。

波酔い:波は深度が浅いほど強く、深いほど弱くなります。実はダイビングスポットに向かう途中で船酔いしたダイバーはむしろ潜った方が楽だから潜ることをおすすめされたりしますが、それはこの為です。初日は浅瀬から歩いてエントリーできる範囲しか潜っていないので、とにかく波の影響を受けます。後半はかなり波酔いで気持ち悪くなっていました。

レギュレーターで呼吸するのが辛い!:レギュレーターでの呼吸は、慣れていないと結構辛いです。息苦しさを強く感じます。空気を吸っても思ったより空気が出てきてくれません。当然レギュレーターでの呼吸なんて人生で初めてだったので、これは辛かったです。

残圧30barで潜るとか正気か?:最後のダイブでは残圧30barのシリンダーで潜り、海から出た時には10barしか残っていませんでした。これはかなり強く死を覚悟しました。普通のダイビングではこの判断は有り得ないのですが、恐らく、最後のダイブポイントは最大深度5m前後の浅瀬だから急浮上したところで減圧症等の問題はない、確認事項も残り少ないのでやってしまおう、というインストラクター判断だったと思います。ただ、私は教科書知識しかない初心者ダイバーです。僕「残圧30しかないです」インストラクター「大丈夫です、潜りましょう」の言葉を聞いた時は死ぬんじゃないかと思いました。残圧が少ないほど、呼吸に必要な肺の力は増えるように感じました(これは僕の恐怖感覚かもしれません。以降のダイビングで残圧40barを切ったことは無いので分かりませんが…)。人は恐怖を感じると呼吸が荒くなります。慣れないレギュレーター、予備残圧を切って空気の薄いシリンダー、すぐ目の前にある死の恐怖の中、”ここでシリンダーの空気が無くなって僕が水中で気絶しても、このインストラクターは僕を背負って海から出るだけの筋力はあるから大丈夫だ”、と悟りを開いてパニックにならずになんとか乗り切る事が出来ました。

ダイビング2日目・3日目はとても楽しかった!

OWDの2日目以降は、ダイビングスポットまで船で移動して潜ります。ダイビングスポットはその日の海の状況によって変わるようで、ダイビングショップ同士で連絡を取り合って、見どころの多いスポットを共有しています。大きいマンタが連れ立って海中を泳いでいる様が見れたり、ウミガメにコバンザメがくっついてるところが見れたり、たくさんの魚がすぐ目の前を泳いでて、近づくとカーテンのように分かれたり、見どころがたくさんあってすごく楽しめます。水中生物だけでなく、泳いでるすぐ下に断崖絶壁で底の見えない岩が連なり、海にいるのに自由に空中を飛んでいるような感覚も楽しいです。ダイバーにしか見れない景色、感覚があって、こればかりは経験しないと伝えきれません。ぜひ、実際にダイビングをして体感してみてください。

そんな感じですごく楽しかった2日目・3日目ですが、難しかったのは浮力コントロールです。BCDと重石で調整するのですが、水深が深いところでBCDに空気を入れて調整した後、少しでも水深が浅くなると空気が膨張して浮力コントロールができなくなり一気に浮き上がったりしました。何度か潜るうちに浮力コントロールも出来るようになったのですが、この時の教訓は”人間の肺には思いのほか空気が入っている”ということです。肺に空気を入れたり吐き出したりすると、私の場合は大体±3m前後動きます。この浮上潜降は想像してるより大きく動きます。基本は肺の空気の量をコントロールすることのみによって浮力をコントロールするのがベストです。本来的には、水中ではBCDに空気を入れてコントロールなんてしない、BCDで空気を抜いた時に沈むギリギリの量しか重石は付けない、というのが大切です。BCDの空気は①最初に潜降する時に抜いて、②最後水面に浮上した後に入れる時くらいしか触らないようにします。例外は、泳ぎきれないほど強いダウンカレントに巻き込まれた場合のみです(この場合でも慎重に少しずつ最低限のみ空気を入れるべきですが)。ああ、肺呼吸だけでこんなにも深度が変わるんだなぁという感覚を掴んでから、浮上コントロールは劇的に改善しました。

最後に

ダイバーにしか見れない景色があります。ダイバーしか感じたことがない感覚があります。ダイビングという趣味はとても楽しいものです。しっかり勉強をして、潜るたびに次のダイビングではどこを改善するか戦略を立てて実行していけば、必ずダイビング技術は成長します。ダイビング技術が成長すれば、より多くの素敵な体験ができ、面白みが増していきます。安全に十分留意して楽しみましょう!

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